微分方程式の基礎-超初心者向け-微分方程式とは

微分方程式 数学

微分方程式の基礎 超初心者向け-①微分方程式についてやさしく解説

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物理勉強してたら微分方程式がいっぱい出てきたんだけど、わけわかんない!

苦手君
デルタ先生

大学レベルの物理は微分方程式がたくさん出てくるからねぇ。避けては通れない数学だから、基礎からきっちり解説するね。

本記事では微分方程式の基礎について解説します。

大学で初めて習って『なんじゃこりゃ??』って思った人も多いのではないでしょうか?

初心者向けにわかりやすく解説します。

本記事をおススメする人

  • 微分方程式アレルギーの人
  • 1から微分方程式の勉強をしたい人

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微分方程式にはいろいろ種類があり、名前の付け方について動画で解説していますので、参考にしてください。

微分方程式と普通の方程式の違い

微分方程式は、 そもそも普通の方程式と求める解が違います

微分方程式と普通の方程式との違い

  • 微分方程式:解となる関数を見つける方程式
  • 普通の方程式:解となる数字を見つける方程式

微分方程式の例として、下記をあげてみます。

$$\frac{dy}{dx} = y $$

この式を満たす、 関数のyを求めるのが微分方程式です。

一方で普通の方程式の例として、

$$x^2-2x+1 = 0$$

この方程式の解は、数字で求まりますね?

解は因数分解すると\((x-1)^2 =0\) なので\(x=1\)です。

これが微分方程式と普通の方程式の違いです。

微分方程式の解き方

$$\frac{dy}{dx} = y $$

この式を解く前に、微分方程式には解が2種類ありますので、それを説明します。

そのあとに実際に解いてみましょう。

微分方程式の解の種類

よく微分方程式の解を求めるにあたって、下記の2種類の解を使い分けます。

微分方程式と普通の方程式との違い

  1. 一般解:初期条件なしの解
  2. 特殊解 (特解):とある初期条件を設定したときの解

どういうこと?って感じた人もいらっしゃると思いますので、例の微分方程式を解きます。

$$\frac{dy}{dx} = y $$

これを満たす\(y\)ですが、勘が良い人はわかるかもしれません。

\(y\)を\(x\)で微分したら\(y\)になる関数、つまり、微分してもな~んにも変わらない関数です。

答えは\(y=e^x\)です!

と、答えたあなた。これは特殊解です。

\(y=2e^x\)も\(y=5e^x\)も\(y=100e^x\)も微分したら元の式になりますね?

なので、とある定数を\(C\)とすると、

$$y=Ce^x$$

これが一般解です。

一般解は、定数Cが含まれた関数で書かれます。

なので、この微分方程式を満たす関数\(y\)は\(C\)の数だけ関数があるんですね。

さきほど、\(y=e^x\)は特殊解だ!と書きましたが、これは一般解で\(C=1\)のときの解ですね。

初期条件としては、\(x=0\)のとき、\(y=1\)という初期条件を与えると、

$$1 = C e^0$$

\(e^0\)なので\(C=1\)です。

超基礎-よく使う微分

数学とはいえ、覚えることは多少あります。

微分方程式の最初のステップとして、少なくともこれら3パターンは必ず覚えましょう。

覚えるべき基礎的な微分方程式の形

  1. $$\frac{dy}{dx} = nx^{n-1}  →y=x^n+C$$
  2. $$\frac{dy}{dx} =y →y =Ce^x$$
  3. $$\frac{d^2y}{dx^2} =-y →y=C_1sinx+C_2cosx$$

矢印の右側は一般解を示しています。

\(C、C_1、C_2\)は積分定数です。

ではそれぞれ見ていきます。

①\(\frac{dy}{dx} = nx^{n-1}\)

これは右辺がxの式になっています。

これを満たす関数\(y\)を求めるために、右辺を\(x\)で積分します。

$$x^n +C$$

\(C\)は積分定数です。

微分の逆の計算である積分をする、ということで微分方程式を解くことができるものもあります。

②\(\frac{dy}{dx} =y\)

これは先ほど例でやりましたね。

一般解は\(y=Ce^x\)です。

微分しても変わらない関数は\(e^x\)!と覚えておいてください。

③\(\frac{d^2y}{dx^2} =-y\)

これもよく出てきます。

2回微分すると、符号が変わって元通りになる関です。

答えは三角関数である\(sin,cos\)ですね。

\(y=sinx\)を微分すると、\(y'=cosx\)、さらに微分すると\(y''=-sinx =-y\)です。

ちなみに上記は特殊解ですので、一般解にするためには、先ほどの\(e^x\)と同じく、係数に\(C\)をつけて、\(y=Csinx\)となります。

ちなみにこれでもまだ特殊解のレベルです。

\(y=sin(x-δ)\)のように、位相差があるような場合でも成り立ちますね?

ということで、一般解は、

$$y=Csin(x-δ)$$

あれ?でも\(cos\)だって解となりうるんじゃないの??

そう、cosでもいいんです。

なので、この形の一般解を書くとき、下記のように書く場合も多いです。

$$y=C_1sinx+C_2cosx$$

ちなみに、この一般解は\(y=Csin(x+δ)\)と示している内容としては同じです。

三角関数の合成をしてみればわかります。

三角関数の合成公式

$$Csinx+Dcosx = \sqrt{C^2+D^2}sin(x-δ)$$

$$tanδ = \frac{C}{D}$$

今回の式に当てはめると下記のようになりますね。

$$C_1sinx+C_2cosx = \sqrt{C_1^2+C_2^2}sin(x-δ)$$
$$tanδ=\frac{C_1}{C_2}$$

ここで、\(C =\sqrt{C_1^2+C_2^2}\)とすると、先ほどの一般解は同じことを示していることがわかりますね。

まとめ

今回はここまでで、微分方程式の基本を解説しました。

まとめ

  • 微分方程式とは方程式を満たす関数を求めるもの
  • 解には一般解と特殊解がある
  • 一般解は定数を含み、特殊解は初期条件などで、定数が決まった解
  • まず覚えるべき3つのパターンはxのn次関数、指数関数、三角関数

これらは微分方程式の基礎の基礎です。

解くにあたってこれからどんどん難しくなりますので、しっかり理解してくださいね。

次回は変数分離形の微分方程式の解説をしますので、下記リンクをご覧ください。

微分方程式の基礎②-変数分離形-微分方程式の解法について解説

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