微分方程式の基礎②-変数分離形-微分方程式の解法

微分方程式の基礎-初心者向け- 学問・技術

本記事では微分方程式の解法『変数分離形』について解説します。

そもそも微分方程式って何??という方は過去の記事で解説していますので、参考にしてください。

変数分離は微分方程式の解き方でも簡単な部類に入りますので、まず微分方程式になれるという意味でも、しっかり理解しておきましょう。

本記事をおススメする人
  • 微分方程式アレルギーの人
  • 1から微分方程式の勉強をしたい人
  • 微分方程式についてなんとなくわかったけど、解き方が分からない人

変数分離形で解く方程式

下記のような微分方程式を解く方法です。

$$y’ = f(x)g(y)・・・①$$

変数分離形の解法

解法5ステップ
  1. 両辺をg(y)で割ります (g(y)≠0とします)
  2. 両辺にdxをかけます
  3. 両辺に積分記号をつけます。
  4. y=○○の形に式変形します。
  5. g(y)≠0となるyの条件を満たすような積分定数Cを求めます

①式を$\frac{dy}{dx}$で書き直します。

ここからyの式を緑色xの式を赤色で書いて、わかりやすくしておきます。

$$\frac{\color{green}{dy}}{\color{red}{dx}} =\color{red}{f(x)}\color{green}{g(y)}$$

Step1 両辺をg(y)で割ります

割り算をするのでg(y)≠0とします。

$$\frac{1}{\color{green}{g(y)}}\frac{\color{green}{dy}}{\color{red}{dx}} =\color{red}{f(x)}$$

Step2 両辺にdxをかけます

$$\frac{1}{\color{green}{g(y)}}・\color{green}{dy} = \color{red}{f(x)dx}$$

左辺の変数はy(緑色)、右辺の変数はx(赤色)となりましたね。

このように左辺と右辺で変数を分ける方法を変数分離といいます。

Step3 両辺に積分記号をつける

でもこのままじゃ解けませんので、両辺に機械的に積分記号をつけましょう。

$$\int\frac{1}{g(y)}・dy = \int f(x)dx$$

これで両辺を積分したら求まりますね。

Step4,5は具体的な数式を積分する際に必要なステップですので、f(x)とg(y)に具体的に数式を入れた場合で、見てみましょう。

具体例

それでは具体例を2つほど見てみましょう。

$y’=2xy、y(0) =1$

初期条件として$x=0$のとき、$y=1$としています。

それでは変数分離してみましょう。

$$\frac{dy}{dx} = 2xy$$

両辺をyで割って、$dx$をかけます(Step1と2)

$$\frac{1}{y}・dy = 2xdx$$

左辺と右辺で変数がyとxで分離できましたね。

これに積分記号をつけます(Step3)

$$\int\frac{1}{y}・dy = \int2xdx$$

これを計算すると、

$$logy = x^2 +C$$

Cは積分定数です。

logを外してy=○○の形にします(Step4)

$$y=e^{x^2+C}=e^Ce^{x^2}=C’e^{x^2}$$

$e^C = C’$と定数を置きました。

ここで、y=0のとき、y’=0となって、元の式は満たします。

変数分離をする際、g(y)=0となる条件はであるy=0は除外していますので、

このケースについて別途考えます(Step5)

y=0のとき、C’=0とすれば、右辺は0になりますね。

C’=0も含むような定数をC”として書き換えると、

$$y=C”e^{x^2}$$

これが一般解です。

初期条件が定められているので、特殊解を求めましょう。

x=0のとき、y=1なので、

$$log1 = 0^2 +C$$

log1=0だから、C=0となります。

$$log{y}=x^2$$

この式だと関数の形が分かりにくいと思いますので、logを外してy=○○の形にします。

$$y = e^{x^2}$$

これが特殊解です。

$y’=1-y^2$

つぎはこれを変数分離で解いてみましょう。

数学苦手君
いや、この式ってx無いですよ??
はなたか
$f(x)=1、g(y)=1-y^2$とすると、$y’=f(x)g(y)$の形に見えてこない??

ということで、$f(x)=1、g(y)=1-y^2$として解きます。

$1-y^2$を因数分解して書き直すと、

$$\frac{dy}{dx}=1・(1-y)(1+y)$$

g(y)≠0でなければ割れないので、y≠±1とします。

g(y)で両辺を割って、dxをかけますと、(Step1,2)

$$\frac{1}{(1-y)(1+y)}dy=dx$$

積分しますと(Step3)

$$\int\frac{1}{(1-y)(1+y)}dy=\int dx$$

左辺の積分は部分分数分解で積分すると求まります。

$$\frac{1}{2}log|\frac{1+y}{1-y}|=x+C_1$$

logを外すと、

$$|\frac{1+y}{1-y}|=e^{2x+2C_1}$$

左辺の絶対値を外し、右辺の積分定数を前に出します。

$$\frac{1+y}{1-y}=±e^{2C_1}e^{2x}=C’_1e~{2x}$$

$C’_1 =±e{2C_1}$としています。

これをy=○○の形に整理しますと、(Step4)

$$y=\frac{C’_1e^{2x}-1}{C’_1e^{2x}+1}$$

これが一般解・・・とはいきません。

そうy=±1を除いていますね。

この式がy=±1で成り立つか見てみましょう。(Step5)

$y=-1$のとき

$$-1=\frac{C’_1e^{2x}-1}{C’_1e^{2x}+1}$$

$C’_1=0$とすると、右辺は-1になりますね。

$y=1$のとき

$$1=\frac{C’_1e^{2x}-1}{C’_1e^{2x}+1}$$

右辺を1にするにはどうするか、ですが、結論$C’_1→∞$にします。

まず、式変形します。

$$(右辺)=\frac{e^{2x}-\frac{1}{C’_1}}{e^{2x}+\frac{1}{C’_1}}$$

$C’_1→∞$とすると、

$$(右辺)=\frac{e^{2x}}{e^{2x}}=1$$

となります。

つまり、$C’_1$に0と∞を含ませれば、どんなyでも成り立つ一般解となりますね。

0と∞を含むような積分定数をCとすると、一般解は、

$$y=\frac{Ce^{2x}-1}{Ce^{2x}+1}$$

となります。

0になる条件がある場合、あとでその条件が満たすように積分定数を定め直してくださいね。

まとめ

以上が変数分離形の微分方程式の解法です。

変数分離形の関数は、

$$y’ =\frac{dy}{dx} = f(x)g(y)・・・①$$

解法5ステップ
  1. 両辺をg(y)で割る (g(y)≠0とする)
  2. 両辺にdxをかける
  3. 両辺に積分記号をつける
  4. y=○○の形に式変形
  5. g(y)≠0となるyの条件を満たすような積分定数Cを求める

以上5ステップです。

解き方を覚えて、いくつか解いてみると身に付きますので、自分の手をしっかり動かすことも忘れないでくださいね。

次回の同次形の微分方程式でも、この変数分離形の解き方を使用しますので、そちらでも練習しましょう。

それではまた。