ヤバい!明日は力学のテストだ!って力の種類いっぱいあるんだけど、これ全部覚えるの!??
覚える部分は一部だけだよ。今回は公式の無い力について解説するね。
高校物理の力学で、覚えるべき力については、過去の記事でまとめていますので、こちらを参考にしてくださいね。
今回のケースのように、全部おぼえなきゃ!!って考えている人は多いのではないでしょうか?
結論的には、力のつり合いと運動方程式から、力は求まります。
本記事ではこんな人におススメです。
本記事をおススメする人
- 力学を学び始めた方で、全体像が分からない人
- テスト前でどれを覚えるべきか焦っている人
- 授業の予習でどんな感じかをつかみたい人
力の求め方のパターン
公式の無い力の求め方は大きく分けて2つです。
ポイント
- 静止している場合:力のつりあい
- 加速度運動している場合:運動方程式
それでは順に例をもとに解説していきます。
静止している場合
例①:張力
図のように、質量mのボールが糸で天井から吊られて静止しています。
静止しているので、 左右と上下の力は必ずつりあっています。
左右の力は今回は無いので、上下の力を考えると、ボールには下向きに重力mgが発生します。
この下向きの力とつりあっている上向きの力があるのだから、静止しているわけです。
上向きの力は、今回は張力だけですので、『重力 = 張力』 という力のつりあいが成立します。
重力加速度を\(g\)、張力を\(T\)とすると、張力は下記のように求まりますね。
$$T = mg$$
例②:静止摩擦力
次は静止摩擦力です。
横から指で箱を押していますが、床の摩擦力で動かない、という状況です。
動かない、つまり静止しているので、指で与えた横向きの力と、摩擦力がつりあっています。
よって、『 静止摩擦力 = 指で与えた横向きの力』という力のつりあいで求まります。
静止摩擦力をμ(『ミュー』と読みます)、横向きの力をFとすると
$$μ = F$$
例③:垂直抗力
箱が床の上に置いてある状態です。
箱には重力しか発生していません。
箱の質量を\(m\)、重力加速度を\(g\)とすると、\(mg\)という大きさの重力が箱の下向きにかかります。
箱は動いてないので、 重力につりあうような上向きの力が働いています。
それが垂直抗力ですね。
垂直抗力を\(N\)とすると、力のつり合いから下記のようになりますね。
$$N = mg$$
加速度運動している場合
例①:ボールが落下
落下している場合です。
加速度を\(a\)、質量を\(m\)とすると、働いている力\(F\)は運動方程式から
$$F=ma$$
です。
加速度\(a\)を重力加速度\(g\)に置き換えると、重力の式になることがわかりますね。
$$F=mg$$
ちなみに、重力加速度は、『重力によって発生する加速度』なので\(a\)を\(g\)に置き換えても大丈夫です。
例②:箱を押して加速度運動
横から指で箱を押して、加速度運動をさせています。
箱の質量が\(m\)、加速度が\(a\)のとき、運動方程式は\(F=ma\)ですので、
横から押している力を\(F\)とすると、\(F\)は運動方程式そのままになりますね。
$$F=ma$$
まとめ
以上、公式の無い力について解説しました。
ポイント
- 静止している場合:力のつりあい
- 加速度運動している場合:運動方程式
斜めの場合、力の分解と三角関数の知識が必要になってきますが、避けては通れませんので、しっかりと理解しましょう。
このブログを読み終えた状態というのは、『武器をもらって、取り扱い説明書を読んだ状態』です。
武器を使いこなすには、問題を解いて、しっかりと実戦で使いこなせるようにしましょう。