高校物理

高校物理-単位 検算と考え方 まずは基本を押さえよう!

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物理で単位を考えるのが大事って聞いたけど、どういうこと??

苦手君
デルタ先生

物理が得意な人は単位について敏感だね。単位は凄く重要だから、まずは単位の基本を押さえておこうね。

物理を勉強しているといろんな文字と単位が出てきます。

単位を理解することで、何を意味しているかを理解しやすくなりますので、しっかり基本を押さえておきましょう。

解説する内容ですが、下記です。

①単位を理解することのメリット

  • 定義を覚えられる
  • 検算に役立つ

②高校物理の要注意な単位について

本記事をおススメする人

  • 高校物理を始めたての人
  • 物理の単位を覚えられない人

単位とは

そもそも単位って何??っていう人もいらっしゃると思いますので、単位について解説します。

単位とは ある量の基準 を示しています。

は?と思ったでしょう。

分かりやすい例は小学生で習った『メートル』とかです。

『1メートル』ってこれだけの長さっていう基準を示しているわけです。

センチメートルとかキロメートルとか、距離を示しますが長さが違います。

もう一つ例として時間にも単位がありますよね?

1時間とか、1分とか、1秒とか・・・このあたりも時間を示しますが、長さが違います。

それぞれ基準としているものと、長さ(大きさ)が違います。

これらはぜ~んぶ『単位』と呼びます。

同じ距離を表すのに、センチメートルとかキロメートルとかあるのが面倒だ!!

っていう人もいるかと思いますが、

これは使い分けた方が、直感的にわかりやすくなっているから使い分けています。

マラソンの距離は42,195キロメートルというのを、4219500センチメートルとは言いませんよね?

わかりにくいわ!ってなります笑

単位の大きさについて

距離であれば○○メートルって表しますが、センチとかキロとかいろいろありますよね。

これらにはちゃんと意味があって、センチとかキロとかは『基準の単位に対して○○倍する』と決まっています。

下記にまとめています。

記号読み方倍率
pピコ1,000,000,000,000分の1$10^-12$
nナノ1,000,000,000分の1$10^-9$
μマイクロ1,000,000分の1$10^-6$
mミリ1,000分の1$10^-3$
cセンチ100分の1$10^-2$
hヘクト100$10^2$
kキロ1,000$10^3$
Mメガ1,000.000$10^6$
Gギガ1,000.000,000$10^9$
Tテラ1,000.000,000,000$10^12$

あれ?でもセンチグラムとか言わないよね??

苦手君
デルタ先生

そう、単位によってよく使う表現っていうのがあるんだ。

これが非常に厄介なところです。

よく使われる単位というものがあるので、こればっかりは覚えて慣れるしかありません。

下記に力学でよく使う単位をまとめていますので、参考にしてください。テストには多分でません笑

もし『この分野ではこの単位よく使うよ』っていうご意見があれば、是非コメントいただきたいです。

複数記号(分数)の単位

次に複数記号の単位について解説しましょう。

複数の記号ってなんやねん、ってなったあなた。

時速○○キロメートル(km/h)とか聞いたことがありませんか?

時速などに代表される速度って、メートルという距離と、時間が混ざっています。

時速は『km/h』という単位で表されますが、これは分数で書かれているのと同じです。

$$km/h = \frac{km}{h}$$

こんな感じ。hは英語で時間hourを示しています。

時速というのは『1時間当たりに進む距離』を表していますが、これが非常に大事なイメージです。

このように分数で書かれた単位は、『分母の単位量あたりの分子』を表しています。

単位量というのは『1』のことです。

難しい言葉やめて~!わけわからん!

苦手君
デルタ先生

これは例を見て感覚をつかむ方がいいから、例を見てみようか。

複数記号(分数)の例

速度

先ほどは時速で説明したので、今度は秒速20mという速度を考えてみましょう。

秒速20mは20m/sと書けますね。sはsecond(秒の英語)を示しています。

この単位『m/s』の場合、分母が秒ですので、秒に単位量である1をつけて考えると、『1秒あたりの値』を示しています。

分子にmというメートルがありますので、これは距離ですね。

さきほどの分母と分子の日本語をつなげて、m/sという単位が示しているのは『1秒あたりの距離』ということになります。

20m/sであれば、1秒当たりに20m進むという速度を示している、ということになります。

加速度

加速度は要注意です。

加速度でよく使う単位は$m/s^2$です。

分母に2乗がついています。

2乗がつくと意味が分からなくなると思いますが、これは加速度の意味を考えると分解することができます。

『加速度は単位時間あたりに速度が加わる度合い』を表しているので、分母の2乗をm/s/sのように分解できます。

つまり下記の図のような形です。

これなら先ほどの時速の例と同じように考えれますね。

加速度というのは 『1秒あたりに速度が加わる度合い』です。

\(2m/s^2\)であれば、『1秒あたりに2m/sの速度が加わる』ということを表しています。

覚えるべき単位

これまでの説明で、単位を見れば、その物理量が何を示しているかがわかると理解できましたね。

しかし単位を見ても全然イメージができないものもたくさんありますので、下記の単位には注意してください。

圧力Pa(パスカル)

パスカルさんが見つけたのでパスカルという単位になっています。

パスカルという単位PaはN/m2と同じです。

1平方メートルあたりに○○Nで押されている、という意味です。

圧力について詳細は下記で解説していますので参考にしてください。

周波数Hz(ヘルツ)

これも偉人であるヘルツさんの名前がついた単位です。

振動の分野で、周波数を示しているのですが、回/sと同じです。

まさかの日本語が分子にきていますが、1秒当たりに何回振動しているか、を示しています。

電流A(アンペア)

アンペアもよく聞く単位ですね。

しかしこれもアンペアだけ聞くとよくわかりませんが、アンペアAはC/sと同じです。

Cは電荷を表し、クーロンと呼びます。

○○Aとは、1秒間に○○クーロンの電荷が流れた、という意味です。

ここに挙げた単位をみてわかるかもしれませんが、えらい学者さんたちの名前がついている単位というのは、イメージが付きにくいと思います。

上記の単位のように、よくわかる単位で書き直せるものはよいのですが、

一方でどうしてもイメージがつきにくいような単位もありますので、それらはちゃんと覚えましょう。

例えば力の単位ニュートンNとか、電荷の単位クーロンCとか。

覚えるものは覚えて、覚えなくても理解できるものは理解するのが物理では効率が良い勉強法補です。

単位による検算

物理では文字式のまま計算して答えを出すことも多いです。

もちろん計算する過程でミスしてしまうこともあるのですが、単位を見ることで検算ができます。

例として、下記のような直方体の面にかかる圧力を計算してみましょう。

ここで間違えて、面積にさらに高さをかけてしまったもので力を割ったとしましょう。

そうすると、こうなります。

この時、単位はどうなっているでしょうか?

左辺の圧力はPaという単位なので、\(N/m^2\)です。

右辺は分子は力FなのでNですが、分母について面積\(m^2\)にさらに高さのmが掛けられているので、\(m^3\)となってしまいます。

こうなると左辺と右辺の単位が一致しておらず、あれ??おかしいぞ??となるわけです。

単位が左辺と右辺であっているかどうかを見ることで、計算があっているかどうかを判定できますので、検算のテクニックとして是非覚えておいてください。

ちなみに、左辺と右辺で単位が異なっているとき、『次元が違う』と言います。

まとめ

以上、単位について解説しました。

単位は基準となる量を表していて、センチとかミリとかキロとかは何倍するかを示しています。

単位に割り算が含まれている場合、分母の単位量あたりの分子の値を示しています。

これは速度とかがわかりやすい例ですので、まずはわかりやすい例で考えるようにしましょう。

次に、単位の中には覚えなければいけない単位もいくつかあることを紹介しました。

圧力のパスカルや、振動の周波数ヘルツ、電流のアンペアがその代表例です。

これらの単位がどういった単位になっているかがわかれば、計算するときの検算にも使用できます。

この検算のテクニックは受験やテストのときはもちろん、仕事で物理のシミュレーションをしたり設計をするときにも使えます。

単位について深い理解をすることで、物理量のイメージがしやすくなり、計算も間違えにくくなりますので、しっかりと基本を身に付けておきましょう。

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