摩擦っていろいろ種類があるみたいなんだけど、どれがどれか区別つかないんだけど・・・
摩擦力は基本的に3種類あるんだ。それぞれを詳しく解説するね。
本日は摩擦力についてです。
摩擦のイメージは身近に感じることができる分、わかりやすいと思いますが、3種類の摩擦力をしっかり区別しておく必要があります。
本記事をおススメする人
- 摩擦力って何?っていう人
- 摩擦力の種類が区別できない人
- 授業の予習でどんな感じかをつかみたい人
摩擦力について
まず覚えるべき重要ポイントをまとめますね。
摩擦力:接触面から受ける運動する方向と逆向きの力
イメージは『動きを邪魔する力』です。
この摩擦の定義と下記の3種類の摩擦力を覚えましょう。
摩擦力の種類
- 静止摩擦力:物体が静止している時の摩擦力
- 最大静止摩擦力:物体が静止できる最大の摩擦力
- 動摩擦力:動いている時の摩擦力
ポイントは下記です。
摩擦力のポイント
- 運動する方向と逆向きに発生
- 接触面に押し付ける力に比例する
- 接触面の状態で大きさが変わる
これらポイントと摩擦の種類を覚えておく必要があります。
それぞれ詳しく説明しますね。
摩擦力の種類
まず、摩擦力の種類について説明します。
先に述べたように、下記の3種類です。
摩擦力の種類
- 静止摩擦力:物体が静止している時の摩擦力
- 最大静止摩擦力:物体が静止できる最大の摩擦力
- 動摩擦力:動いている時の摩擦力
例を用いて説明します。
箱が床に置いてある状態を考えてみましょう。
この箱を指で横から押します。
この時、摩擦が無い場合、床の上を箱が滑っていきます。
一方、摩擦があると指で少し押しても、箱は動きません。
だんだん強く押しても、力が弱ければ、箱は動きません。
これは箱が床から摩擦力を受けているためで、摩擦力と指の力がつりあうことで、物体は静止しています。
いったんアニメーションで見てみましょう。
水色の床は摩擦無し、ツルッツルの床を想像しましょう。
物体が静止している時の摩擦力を静止摩擦力と呼びます。
でも指でめっちゃ強~く押すと、ズズズっと床を滑っていきます。
この状態では、指の力が摩擦力より大きくなって、ズズズっと床を滑っています。
動き始めるギリギリの摩擦力を最大静止摩擦力、 動いている時の摩擦力を動摩擦力と呼びます。
イメージしやすくするために、下記のアニメーションにまとめますね。
注意すべきは、摩擦の大きさは 最大静止摩擦力>動摩擦力です。
最大静止摩擦力のほうが動摩擦力より大きくなっています。
3種類の摩擦力、理解できましたでしょうか?
摩擦力の大きさ
3種類の摩擦力の大きさですが、それぞれ求め方が異なります。
摩擦力の求め方
- 静止摩擦力⇒力のつり合い
- 最大静止摩擦力⇒最大静止摩擦係数 × 垂直抗力
- 動摩擦力⇒動摩擦係数 × 垂直抗力
静止摩擦力には公式がありません。
しかし、物体が静止していますので、物体を動かそうとしている力のつりあいが成立します。
最大静止摩擦力と動摩擦力は、それぞれ○○摩擦係数というものがあり、摩擦係数と垂直抗力の掛け算で求まります。
イメージとしては、摩擦係数は滑りにくさ、垂直抗力は接触面を垂直に押す力、となります。
それぞれ説明しますね。
摩擦係数のイメージ
摩擦係数は滑りにくさを示しています。
大きいほど滑りにくいです。
氷とかは摩擦係数が小さく、滑りやすいですが、ヤスリとかデコボコしている表面だと滑りにくいですね。
垂直抗力のイメージ
公式では垂直抗力としていますが、接触面を垂直に押す力です。
例えば、軽い箱と重い箱を考えてみましょう。
どちらが滑りやすいですか??
軽い箱ですよね。
では、軽い箱を滑りにくくするために、箱の上から押してみましょう。
摩擦力は大きくなって、滑りにくくなります。
これは、接触面に押し付ける力が大きくなっているからですね。
垂直抗力と接触面に押し付ける力は、作用反作用の法則で大きさが同じになりますので、接触面に押し付ける力と言い換えてOKです。
むしろ垂直抗力と覚えるとイメージしづらいと思います・・・。
でも注意してくださいね。
例のような状況で、 接触面に押す力は、指が箱を押す力ではないです!
箱が接触面を押す力、です。
垂直抗力と作用反作用の関係にあるかどうかを必ずチェックしましょうね。
作用反作用の法則については過去記事で解説していますので参考にしてください。
まとめ
摩擦力で大事なポイントは下記の3点です。
摩擦力のポイント
- 運動する方向と逆向きに発生
- 接触面に押し付ける力に比例する
- 接触面の状態で大きさが変わる
摩擦力は動きを邪魔する力です。
押し付ける力を大きくしたり、接触面をザラザラにすると、最大静止摩擦力や動摩擦力が大きくなります。
摩擦力の種類は下記の3種類です。
摩擦力の種類
- 静止摩擦力:物体が静止している時の摩擦力
- 最大静止摩擦力:物体が静止できる最大の摩擦力
- 動摩擦力:動いている時の摩擦力
これらを求めるには、下記のように力のつり合いと公式で求めることができます。
摩擦力の求め方
- 静止摩擦力⇒力のつり合い
- 最大静止摩擦力⇒最大静止摩擦係数 × 垂直抗力
- 動摩擦力⇒動摩擦係数 × 垂直抗力
垂直抗力は接触面に押し付ける力と作用反作用の関係にありますので、接触面に押し付ける力と同じ大きさになります。
以上で摩擦力の解説を終わりますが、この摩擦力のイメージは非常に大事になってきますので、アニメーションを何度も見て、頭に叩き込みましょう。