振動・波動の基礎①-古典的な調和振動子(単振動)

線形の振動・波動の基礎 初心者向け 古典的な調和振動子、単振動 学問・技術
物理苦手君
物理って苦手だなぁ…調和振動子って言葉出てきたんだけど、いったい何なの?

本日は、振動・波動の基礎として調和振動子について説明します。

レベルとしては高校3年生向けくらいで解説します。

ちなみに、調和振動子は古典力学と量子力学で少し表記が違います。

今回は高校物理の範囲なので、古典力学的の範囲で解説します。

私は高校では物理を勉強しておりませんでしたが、浪人時代の1年で高校物理を勉強し、偏差値70を超えるまで行きました。

大学でも物理系を専攻しており、会社でも物理の知識を生かして研究開発をしていますので、培った知識・ノウハウを是非みなさまと共有させていただきたいと思います。

調和振動子(単振動)とは

概念

調和振動子 = 理想的なバネにつないだ時の振動するモノ

調和振動とは単振動と同じ意味で、調和振動子は調和振動するモノ、単振動するモノと覚えてください。

理想的なバネというのは、フックの法則に従うものです。下記の図のような状態ですね。

※物体と床の摩擦などは無視しています

$$F=k×x$$

$$F = 力、k = バネ定数、x = バネの縮み量、もしくはバネの伸び量$$

他の例として単振り子を小さく揺らしたときも、調和振動(単振動)となります。

調和振動(単振動)の変位の式

どのような式に従うかについては下記です。

$$y = Asin(ωt+Φ)$$

$$y = 物体の位置、A = 振幅、ω = 角振動数、Φ = 初期位相$$

結論として三角関数で示される、ということです。

角振動数ωは下記で示されます。

$$ω = 2\pi f$$

$$f = 振動の周波数$$

ωは振動の周波数に比例していますので、『 どれくらいの速さで振動しているか』、を示していると考えてください。

振動の周波数fは、振動の周期Tの逆数です。

$$ T = \frac{1}{f} $$

どんな感じのグラフになるかを見てみましょう。

振幅A、角振動数ωを1、初期位相Φ=0としています。

下記のアニメーションを見ていただくとイメージが沸きやすいと思います。

現実には重力が働いていたり、空気抵抗があったりするので、厳密にはこのようなアニメーションのようになりません。

あくまで 理想的にはこのアニメーションのようになる、と考えてくださいね。

角振動数ωのイメージ

さて、ここで角振動数ωというパラメータの概念を説明します。

ωは振動の周波数に比例する値です。

どれだけの速さで振動するか、を示します。

バネの場合、ωは下記のような式になります。

$$ω = \sqrt{\frac{k}{m}}$$

$k$はバネ定数、$m$は物体の質量です。

角振動数ωのイメージ
  • $k$について 硬いバネの方が速く振動するイメージ
  • $m$について 軽い方が速く振動するイメージ

このイメージは超大切なので覚えておきましょう。

初期位相Φのイメージ

初期位相の話を無視してきましたので、ここで説明します。

今、物体の最初の位置を$y=0$としてきました。

これがゼロでない場合、初期位相が必要となってきます。

具体的には下記のグラフで説明します。

青の線が初期位相がある場合、赤の線が初期位相が無い場合です。

青の線では、物体の最初の位置が変わっている(y≠0)となっています。

また、初期位相があることによって、波形が横方向にスライドしたように見えますね?

これを位相がずれる、と表現したりします。

初期位相の分だけ、波形がずれるんですね。

よく高校物理とかで、sin型とかcos型とかで説明されると思いますが、実用性は皆無です。

sin型で初期位相90°とするとcos型になるんですから、sin型、cos型という分類をするのがそもそも無駄です。

初期位相というのは、物体の最初の位置を合わせるためのパラメータと覚えてください。

速度と加速度について

これらは、変位の式を微分していくことで求まります。

変位の式は前述した通りで下記です。

$$y = Asin(ωt+Φ)$$

これをtで1回微分したものが速度v、2回微分したものが加速度aですね。

$$v =\frac{dy}{dt} = Aωcos(ωt+Φ)$$
$$a =\frac{dv}{dt} = -Aω^2sin(ωt+Φ)$$

グラフで重ねると下のようになります。(ω=1としています)

少し見づらいですが、このような感じになるという感覚だけもっておきましょう。

振幅の数値自体はωが入ってくる分、変位、速度、加速度で変わってきますので注意してください。

まとめ

調和振動子(単振動)について解説しました。

根本的には古典力学も量子力学も考え方としては同じなので、基礎的な内容を本記事でイメージをもっていただければ応用が利きます。

調和振動とは、理想的なバネの法則 フックの法則での振動で、三角関数で変位、速度、加速度は表されます。

これらの振幅は周波数によって変わってくる、ということを注意点として覚えておきましょう。

そして、この調和振動というのは理想的な状態である、ということも意識しておいてください。

現実には減衰であったり、非線形効果であったりが効いてくるため、この理想状態から違う結果となります。

このあたりは別記事で解説していますので、参考にしていただければと思います。

参考文献

  • 振動工学の基礎:岩壺卓三、松久寛、森北出版株式会社
  • 機械力学-振動の基礎から制御まで:日高照晃、小田哲、川辺尚志、曽我部雄次、吉田和信、朝倉書店
  • 振動・波動:小形正男、裳華房