圧力の話が出てきたんだけど、これって今まで習ってきた力と違うの?
圧力の話が出てきたんだけど、これって今まで習ってきた力と違うの?
圧力について解説します。
これまで重力や摩擦力など、いろいろな力を解説してきましたが、圧力は少し考え方が異なりますので、詳しく説明しますね。
覚えるべきポイントと、ポイントをアニメーションで解説しますので、しっかりイメージできるようになると思います。
本記事をおススメする人
- 力学を学び始めた方で、圧力とこれまでの力の違いがわからず困っている人
- 授業の予習でどんな感じかをつかみたい人
圧力とは
圧力は、『面に力をかけた時、面積あたりにどれくらいの力がかかっているか』を示しています。
式で書くと、圧力を\(P\)、力を\(F\)、面積を\(S\)とすると、
$$P = \frac{F}{S}$$
圧力の単位は "Pa"と書いてパスカルと読みます。
Paは力の単位 "N"を、単位面積"\(m^2\)"で割ったものです。
$$[Pa]=\frac{N}{m^2}$$
\(1m^2\)あたりにかかる力が1Nのとき、1Pa(パスカル)です。
圧力のイメージ
足を靴で踏まれるとしましょう。
次のケースを比較して、どちらが痛いでしょう?
体重50kgの人に、平たい靴で踏まれたとき
体重50kgの人に、ヒールのかかとで踏まれたとき
ヒールで踏まれたほうがめっちゃ痛いです。
アーティストのライブとかで、ハイヒールの女性に踏まれて骨折した、という話はよくあります。
これは踏む力自体は、体重60kgの男性の方が大きいのですが、ヒールの面積が小さくなるために、大きな圧力になるためです。
圧力の性質
圧力には知っておくべき大事な性質がありますので、下記にポイントを示しますね。
圧力のポイント
- 圧力は面に対して垂直な力のみを考える
- 圧力は均等に伝わる
順に解説します。
圧力は面に垂直方向の力のみ
例えば下記のように、斜面に置いてある箱を真上から押したとしましょう。
圧力は箱の面に垂直な方向の力のみを考えるので、押した力を分解する必要があります。
実際に下のアニメーションで見てみましょう。
斜面に垂直方向の力は、斜面の角度を\(θ\)とすると、\(Fcosθ\)になりますね。
これを箱を押している面積で割ることで、圧力\(P\)が求められます。
面とおなじ方向の力(\(Fsinθ\))は、 圧力に関係ありませんので注意してくださいね。
圧力の伝わり方
硬いものであれば面内に均等に伝わる
これ、覚えておいてください。
どういうことか、解説しますね。
このように、かた~い板を踏むと、5つの卵に均等に分散して圧力がかかります。
では、軟らかいものでは??
そう、 均等に伝わらないのです。
ふとんの上から人に踏まれても、踏まれた場所しか痛くないですよね?
でも、板の上から踏まれたら、全身痛いっす。
私のように鼻が高い人は、鼻がもげるかもしれません。
先ほどのアニメーションと同じように卵で見てみましょう。
真ん中の卵に集中的に圧力がかかっているのが分かりますね?
高校物理の問題では、基本的に硬いという想定で問題を解くことが多いですが、
現実的には板にしろ布団にしろ、押すと曲がってしまいますよね?
そうなると押している面に対して垂直な力発生する部分が減ってしまうわけです。
まとめ
圧力は、『面に力をかけた時、面積あたりにどれくらいの力がかかっているか』です。
式で書くと、圧力を\(P\)、力を\(F\)、面積を\(S\)とすると、
$$P = \frac{F}{S}$$
単位はPaで、Paは\(m^2\)あたりの力、\(N/m^2\)です。
$$[Pa]=\frac{N}{m^2}$$
覚えるべきポイントです。
圧力のポイント
- 圧力は面に対して垂直な力のみを考える
- 圧力は均等に伝わる
イメージをつけるためにも、アニメーションを見てくださいね。
力と圧力は似ているけど、ちゃんと使い分けて、こんがらがってしまわないようにね。