

本日は応力集中について解説します。
部材が壊れる、壊れないという話をする際に、気をつけなければいけない概念ですので、しっかりとイメージできるように解説しますね。
動画でも解説していますので、是非参考にしていただければと思います。
目次 -Contents-
応力集中とは

部材の構造によって、応力が集中する部分が発生することを 応力集中 と呼びます。
応力集中が起こる構造
先ほど示した上の図のような構造の場合、応力集中が起こります。
断面積が大きく変化する箇所に応力が集中するイメージです。
実際にいくつかシミュレーションした結果がありますので、参考にしてください。
切りかけ構造

上図のように、切りかけ部分に応力が集中します。
図の赤くなっている部分に応力が集中しています。
穴あき構造

上図のように、穴の外周部分に応力が集中します。
図の赤くなっている部分に応力が集中しています。
L字構造

上図のように引っ張ると、角部に応力が集中します。
図の赤くなっている部分に応力が集中しています。
応力の分布(穴あき構造)

さて、応力集中について、いろんな構造をお見せしましたが、具体的にどのような応力分布になるか見ていきましょう。
よくある例として、今回は穴あき構造を取り扱います。

先程の穴あき構造のものを上から見ると、上図のようになっており、穴に近い部分で応力が大きくなっていることがわかりますね。
もう少し詳細を見てみると、下図のように、穴が空いている部分を切り出して拡大し、座標軸を取ります。

すると図のように、穴が空いていない上の面には応力$σ_0$となりますが、穴が空いている下の面には応力の分布が生じます。
この応力分布は下記のように定式化できます。
応力が最大となるのは、円の淵の部分、つまり$x=a$の部分になり、その大きさは、
$$σ_{max}=3σ_0$$
このように表すことができます。
このときの係数3のことを 応力集中係数と呼びます。
応力集中係数は構造によって決まり、たいてい2〜5くらいに収まることが多いです。
部材が壊れないように、安全の指標とするために応力集中係数を見ることがありますので、覚えておきましょう。
まとめ

応力集中について解説しました。
応力集中が発生する構造は、断面積が急激に変化するような構造となります。
具体的には、切りかけや穴が空いている部分などに応力が集中します。
また、応力集中によって、応力がどの程度大きくなるかを応力集中係数で表しますので、しっかりと頭に入れておきましょう。
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