熱力学 初心者向け 熱力学の考え方と状態量

大学物理 熱力学

【初心者向け】熱力学の考え方と全体像を解説 エネルギー保存と状態量

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熱力学ってイメージが難しくて苦手なんだけど…

苦手君
デルタ先生

熱力学は大学レベルになると、イメージができずに苦しむことが多いんだよね。今回から熱力学の現象をイメージできるように講義を始めるね。

大学レベルの熱力学を学ぶにあたって、まず最初に熱力学の考え方と全体像の話をします。

熱力学の考え方

熱力学における考え方のポイントは下記です。

ポイント

  • 系のエネルギー変化を考える
  • エネルギー変化を考える際には、『熱エネルギー』と『力学的エネルギー(仕事)』を考える

  • 系の状態を表す状態量の意味を理解する

これらのポイントに沿って解説していきます。

動画でも解説していますので、是非そちらも参考にしていただければと思います。

系のエネルギー変化

系について

古典力学で扱う対象は、基本的には質点であったり、剛体といったものを扱っていました。

一方、熱力学ではどういったものを対象とするかと言うと、『気体』です。

ほとんどの場合、気体を取り扱います。

さらには気体を扱うといっても、容器の中に詰まった気体を取り扱いますので、無数の気体分子をいっせいに取り扱うんですね。

で、これを古典力学で取り扱おうとすると、大変なのです。

何が大変かといいますと、古典力学では、運動を記述する際に、運動方程式を立てて、『どのように動きますか』ということを議論していたわけです。

この運動方程式は物体が複数あると、その数だけ方程式を立てる必要があります。

では、無数の気体分子の運動を記述するには??

運動方程式を無数に立てる必要があるわけですね。

苦手君
そんなもん無理やん!

ということで、無数の物体をまとめて取り扱おうとしたのが熱力学なわけです。

この無数の気体分子が入った容器全体のことを『系』と呼び、この系の状態を表すパラメータを『状態量』と呼んでいます。

エネルギーも状態量であり、系の状態を表すパラメータとなっています。

熱力学でのエネルギー変化

次にエネルギー変化についてです。

重要な法則としてエネルギー保存則(熱力学第一法則)があります。

古典力学でも力学的エネルギー保存則と呼ばれる物理法則がありまして、

トータルのエネルギー量は勝手に消えたり増えたりしない、という法則でした。

つまり状態が変化した際に、変化前のエネルギー量と変化後のエネルギー量は変わらないわけです。

このことは熱力学でも同じで、最初と最後の状態でエネルギーの総量は変わらない、ということが言えます。

ただし、熱力学では力学的エネルギーに限定されるわけではなく、熱エネルギーも含んだ上で保存則が成り立ちます

状態量を理解する

エネルギー保存則で系の状態変化を取り扱うと、変化の前後を考えることになります。

重要なポイントとしては変化の過程については考えず、最初の状態と最後の状態を見る、ということです。

系の状態を表すには

では、その状態を何で表すかというと状態量を使って表します。

例えば、温度とか圧力とか体積がメジャーなところになります。

後々出てくるエントロピーやエンタルピーなどの、熱力学初学者の嫌われ者たちも状態量の一種です。

メジャーどころの温度や圧力、体積などについては、理想気体と呼ばれる特別な気体において状態方程式というものがあります。

状態方程式は

$$PV=nRT$$

エネルギー保存則と状態方程式を使いまわして、系の状態変化を追うことが多いので、しっかりと理解しておきましょう。

熱力学で学ぶ内容

さて、熱力学の考え方を説明したところで、学ぶ内容をざっくりと説明しておきます。

 熱力学の教科書の目次とかを見てみると、上図のような内容になっていることが多いです。

序論として、高校物理の内容を復習します。

考え方の部分でも出てきたエネルギー保存則が熱力学第一法則です。

この辺りを復習しつつ、微小量の考え方を取り入れながらブラッシュアップしていきます。

次に、山場として熱力学第2法則を学びます。

ここで重要な状態量、エントロピーを学ぶことになります。

その後、エンタルピーやヘルムホルツの自由エネルギーなど、嫌になりそうなカタカナいっぱいの単語が出てきます。

この辺りでイメージがさっぱりつかず、熱力学を挫折していく人が多発します。

これらの単語のイメージをしっかりとつけれるように、今後解説していこうと思います。

熱力学の応用先

その他にも、機械系の方々であれば、〇〇サイクルなど、エンジンや発電所のエネルギー効率に関わってくる部分を重点的に勉強します。

量子物理や統計物理を勉強する人については、マクスウェルの速度分布などを勉強することになります。

このように色々な分野に応用できるのが熱力学になっております。

まとめ

応用範囲が広い熱力学なのですが、理系のたしなみだと思って、サラッとでも勉強しておくことをお勧めします。

古典力学のようにミクロに運動を追いかけるわけではなく、熱力学ではマクロ的に系全体で考える必要がありますので、とっつきにくいかもしれませんが、

一つ一つしっかりと理解していけば、熱力学の考え方が身につくと思いますので、一緒にがんばっていきましょう。

 

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